岩手県立胆沢病院

外科

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診療スタッフ

副院長兼第1外科長 鈴木 雄
乳腺外科長 楠田 和幸
消化器外科長兼地域医療科長 伊藤 靖
総合診療科長兼内視鏡外科長 渋谷 俊介
病理科長 玉手 義久
血管外科長 橋本 宗敬
第2外科長 佐藤 博子
外科医長 谷村 武宏
医  師 三浦 琢磨

診療内容・専門分野

消化器を中心とした腹部外科、乳腺甲状腺を中心とした内分泌外科、食道を中心とした胸部外科、血管外科など外科一般を広く対象として診療しています。

当科の特色及び目指す診療内容

十分なインフォームドコンセントのもと、患者さんとともに歩む医療を目指したいと思っております。また。進行がんや再発ガン、重傷救急疾患などに対しても、積極的に外科治療を加え患者さんの治療成績の向上を図りたいと思っております。

専門外来として東北大学先進外科(旧第2外科)の応援で第2、4水曜日に血管外科外来を開設いたしておりますのでご利用ください。腹部の救急診療や終末期医療への積極的取り組みも行っております。

また、初期研修医教育にも力を入れておりますので、ご理解とご鞭撻をお願いいたします。


当院では、日本外科学会によるNCD事業(日本全国で実施される外科手術症例に関する情報をデータベース化する事業)に参画しています。
(詳細はこちら)

実施中の臨床研究

甲状腺鏡視下手術について

甲状腺には結節(しこり)ができることがあります。甲状腺腫といわれますが、首の腫れやしこりを自覚する場合とほかの人に指摘される場合とがあります。甲状腺腫には良性や悪性を含めいくつかの種類があります。

 

1.良性の甲状腺腫瘍

・腺腫様甲状腺腫(圧倒的に多く、比較的大きくなりやすい)

・甲状腺嚢胞(いわゆる水ぶくれ状のもの)

 

2.良性と悪性の鑑別が難しい甲状腺腫瘍

・濾胞性甲状腺腫瘍(良性のものは濾胞腺腫、悪性のものは濾胞癌)

この甲状腺腫は良性と悪性(癌)の鑑別をつけるための検査である細胞診(超音波で確認しながら細い針を刺して細胞を採る検査)では診断がつかないことが多く、診断や治療に苦慮するタイプです。

 

3.悪性の甲状腺腫瘍

・甲状腺乳頭癌(甲状腺癌の約90%を占めます。リンパ節転移を来しやすいですが予後は良好です。)

・甲状腺髄様癌(甲状腺癌の数%。他臓器にも腫瘍を合併する遺伝性疾患の可能性があるため検索が必要です。)

・甲状腺悪性リンパ腫(甲状腺癌の数%。化学療法が治療主体となることがほとんどです。)

・甲状腺未分化癌(非常に稀な癌で予後は著しく不良です。長年放置した甲状腺癌の性質が変わって起こると言われています。)

 

【主な治療法】

悪性腫瘍に関しては手術が基本的な治療法になります(リンパ腫や切除不能な未分化癌は除く)。

問題は良性腫瘍と濾胞性腫瘍の治療法についてということになります。

濾胞性腫瘍に関しては診断をつけるために手術することが推奨されます。

また、良性腫瘍も大きさが4cm程度もしくはそれ以上のものに関しては手術を推奨しています。

しかし、患者様にとって頸部に傷が残るという問題点が手術をためらう要因となってきました。

この問題点を解決する手術法として鏡視下による甲状腺部分切除術もしくは全摘術があります。

5cm以下の腫瘍(悪性ではないもの)は最も良い適応です。

また、50g以下のバセドウ病、副甲状腺腫に対しても行うことが可能です。

従来の手術と行うことは同じですが、頸部に傷が残らず整容性に優れています。

甲状腺の病気について

甲状腺の病気には、結節(しこり)ができる腫瘍性のもの、ホルモンの分泌異常から起こる機能性のものと二つに大別されます。

 

1.腫瘍性のもの

くびのはれ、すなわち甲状腺腫といわれるものです。鏡などを見て自分で甲状腺腫に気づくこともあれば、ほかの人に指摘されて病院を訪れる人もいます。

甲状腺腫には良性と悪性(癌)があります。これらは採血結果では判別することができません。触診の後に超音波検査を行い、細胞診(超音波で確認しながら細い針を刺して細胞を採る)を行うことで初めて診断がつきます。

ご自身で首を触ってみて、しこりがあると感じた場合や指摘された場合には放置せずに受診しましょう。超音波でしこりの有無はすぐに確認できます。

注)なお、腫瘍の大きさは良悪性の鑑別には関係ありません。小さいからといってそのままにしてはいけません。

 

2.甲状腺の機能異常によるもの

甲状腺機能異常には大きく分けて、機能亢進症(ホルモンが出すぎる)、機能低下症(ホルモンが出にくくなる)の二通りあります。

 

【甲状腺機能亢進症の原因と症状】

バセドウ病(自己抗体が自身の甲状腺を刺激し続けることで起こります)

無痛性甲状腺炎(甲状腺の自己免疫異常で一時的に甲状腺が壊れることで起こります)

亜急性甲状腺炎(上気道炎などのウイルス感染に引き続いて起こります。これも甲状腺が壊れることで起こります)

 

出典元 メディカルノートへのリンク先はこちら

 

橋本病(自己抗体が自身の甲状腺を壊すことでホルモンが作れなくなります。

 

出典元 メディカルノートへのリンク先はこちら

 

ホルモンの異常は日常生活に大きな影響を及ぼします(仕事のミスが増えたり、成績が低下するなど)。これらの異変を感じた時には受診するようにしましょう。甲状腺機能異常は採血で診断がつきます。

 

経皮的エタノール注入療法(PEIT)について

◎はじめに

P.E.I.T (Percutaneous Ethanol Injection Therapy)とは、アルコールの一種であるエタノールを注入することによって腫瘍を壊死させる治療方法です。腫瘍に直接注入して壊死させる作用と、血管に注射して腫瘍に送られている養分を抑えるという、2つの作用があります。
当初は肝臓の腫瘍に対する治療法として始められましたが、甲状腺嚢胞や二次性副甲状腺機能亢進症といった病気の治療にも用いられています。

 

◎治療方法(手順)

1.超音波で結節ないし嚢胞の大きさを計測します。

2.細胞診と同様に結節ないし嚢胞を穿刺し内容を吸引します。また、同時に細胞診を行うこともあります。

3.結節ないし嚢胞の容積の約10分の1のエタノールを注入してその部位の細胞を破壊します。

4.治療翌日超音波で前日の治療部位に異常がないことを確認します。

 

◎この治療のメリットとデメリット

メリット

以前は手術しか治療法がありませんでしたが、エタノール注入療法を何回か繰り返すことにより、手術をすることなく腫瘍の縮小化やホルモンの正常化が期待できる可能性があります。また、手術と比較すると入院期間も1泊2日で済むため負担も少なく済みます(手術の場合には約6日間の入院期間となります)

デメリット

手術療法に比べてその効果の確実性が下がります。大きいものに関しては複数回の治療を必要とするため、結果的に手術よりも時間がかかることがあります。副作用が起こることがあります(反回神経麻痺など)。

 

結節や嚢胞の程度によってこの治療法の適応や具体的な内容が異なります。また、費用等についても説明いたしますので遠慮なくご相談ください(手術療法との比較なども可能です)。

 

◎治療時の注意点と治療後の症状について

・エタノールが腫瘍の外にもれると、激しい痛みなど周囲の組織に影響を与える場合がありますので、治療中は嚥下運動(つばを飲み込むこと)や声を出すことは控えてください。

 

・エタノールの注入による刺激で、穿刺部位や同側の下顎、耳周囲に5~10分間ほど痛みをともなうことがあります。また、まれですが、エタノールが甲状腺のそばを通っている反回神経(声帯を動かす神経)に影響すると、一次的な嗄声(声のかすれ)を起こしたり、血流が多い腫瘍だと出血することがあります。しかしこの症状は一時的で回復します。また、全身におよぶような影響はありませんのでご安心ください。治療後数日は治療部位の周辺が少し腫れることがあります。この多くは治療に伴うものでありその部位を冷やすことによって改善します。

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