令和２年度 岩手県立胆沢 病院指標

◆内科専門科の範疇に入らない内科疾患の診療と救急外来の対応を行っております。その際に入院となった患者さんの入院管理も行っております。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

◆小児科疾患で頻度の高い呼吸器感染症や喘息、消化器感染症の診療を実施しており、心臓外来、内分泌外来、神経外来、アレルギー外来、乳児健診、予防接種にも対応しております。
◆岩手県立中央病院や東北大学病院から医師の応援もいただきながら診療しております。

◆外科では腹部外科、内分泌外科、胸部外科、血管外科など外科一般を幅広く対象としています。特にも消化器外科領域の症例が多く、癌患者への鏡視下手術など積極的に行っております。
◆1番目の鼠径ヘルニアは手術対象の入院です。
◆2番目の症例は大腸内視鏡による治療が不可能な場合は、腹腔鏡または開腹による手術となります。
◆3番目の腸閉塞の症例は点滴など保存的加療での入院です。
◆4番目の胆嚢炎は、腹腔鏡により胆嚢摘出術をするための入院です。
◆5番目は胃がんに対して抗がん剤治療を行う入院です。

◆整形外科では骨折、脱臼等の外傷をはじめ脊椎疾患、関節疾患、骨粗鬆症等の診療を行っています。
◆1、2、3番目は骨折、脱臼の症例で骨折手術での入院が多くなっており、特に2番目の前腕の骨折は高齢者によるものも多いです。
◆1番目の股関節大腿近位骨折は、高齢者が多くリハビリを必要とする場合が多いですが、地域の他医療機関と協力し地域連携パスを運用しており、リハビリ目的の転院もスムーズなため在院日数が短くなっています。
◆4番目は変形性膝関節症等への手術目的の入院です。
◆5番目の症例は、変形性股関節症や股関節骨頭壊死等への手術目的の入院です。

◆脳神経外科では一般的な脳卒中の診療を行っています。
◆1番目のくも膜下出血は術後の脳血管造影検査目的での入院です。
◆2番目の頭蓋、頭蓋内損傷は頭部外傷の急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳挫傷による入院を意味しており、血腫の洗浄術を行う割合が多く、在院日数が少し長くなっています。
◆3、5番目の非外傷性頭蓋内血腫は脳内出血の治療を意味しており、5番目はその中でも意識障害のある場合の入院となっています。比較的重症の患者さんが多く在院日数が長めとなります。また回復期リハビリテーションを要するために転院となるケースが多く転院率が高くなっています。
◆4番目の未破裂脳動脈瘤は血管造影検査目的での入院です。

◆呼吸器外科は肺癌、肺腫瘍、気胸など血管および食道以外の胸部疾患の外科的治療を行っています。
◆肺の悪性腫瘍手術は二次医療圏以外からの患者も多くなっています。ほとんどの手術に胸腔鏡を使用しており身体的負担の軽減に努めています。
◆1番目は肺がんに対する手術実施の入院です。
◆2番目は肺がんなど肺疾患の診断確定のための検査入院です。
◆3番目は肺がんに対する抗がん剤治療の入院です。
◆4番目の症例は気胸に対しての手術入院です。
◆5番目は肺がんの痛みに対し鎮痛薬を使用して痛みを和らげることを目的とした入院です。

◆白内障の手術を主に行っています。
◆現在応援医師で対応しており、重症化する可能性がある患者については他病院へ紹介しています。

◆耳鼻いんこう科疾患全般の診療を行っています。
◆１番目は慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下手術を行った入院になります。
◆2番目は悪性リンパ腫（血液の中を流れる白血球の一種であるリンパ球を由来とするがん）の診断確定のための検査入院です。
◆3番目は頭頚部（口、喉、鼻、耳等）がんの入院です。
◆4番目は扁桃炎や咽頭炎に対して抗生物質製剤等で点滴治療を行った入院です。
◆5番目は鼻出血に対して止血術を行った入院です。

◆皮膚科全般を対象に診療を行っています。
◆当院には形成外科がないため、手術は腫瘍切除、皮弁作成術、植皮術など可能な限り当科で行っています。
◆1番目は皮膚の悪性腫瘍に対して切除や摘出をするための入院です。
◆2番目は症状の重い蜂窩織炎等の治療のための入院です。
◆3番目は帯状疱疹に対して点滴治療を行った入院です。
◆4番目は皮膚、皮下にできた腫瘍について手術するための入院です。
◆5番目は熱傷や凍傷の入院です。

◆泌尿器科では、地域完結型医療を目指して、可能な限り泌尿器科で扱う全ての疾患に対応しています。
◆1番目は、尿路結石症に対する内視鏡手術を行う入院です。体外衝撃波結石破砕術の設備を持つ当院では、県南を中心に尿路結石症の方が多数紹介されてきますが、結石の部位や状態により、最適な治療方法を選択しています。
◆2番目は、尿路感染症（主に腎盂腎炎など）に対する治療です。
◆3番目は、末期腎不全に対して行う血液透析治療を行うための血管を造設する入院です。
◆4番目は、早期前立腺癌に対する根治治療として行う全摘手術を行う入院です。当院では、手術支援ロボット「ダビンチ」を使ったロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を行っています。
◆5番目は、膀胱癌の内視鏡手術（経尿道的手術）を行う入院です。表在性の膀胱癌は内視鏡手術により切除可能で組織型、悪性度、進達度を判断するための診断的治療として内視鏡手術を行い再発の予防治療として抗がん剤の膀胱内注入を行う場合もあります。

◆呼吸器内科は岩手県南の呼吸器がんセンターとして、肺がんの診断・治療の充実に力を注いでいます。また、肺炎、気管支炎、慢性呼吸不全、肺結核など呼吸器疾患全般に対応しています。
◆１番目は、肺がんを診断するための気管支鏡検査目的入院です。確実な診断をつけるために直接肺の内部を観察したり、病変部位の組織を採取する検査です。
◆2、5番目は、肺がんに対する化学療法実施の入院です。
◆3番目の間質性肺炎、4番目の誤嚥性肺炎は重症度や基礎疾患の有無、症状などにより、在院日数の幅が広くなっています。

◆循環器内科は狭心症、心筋梗塞、心不全等の循環器疾患全般を診療しています。
◆1番目の入院は心不全による入院で、高齢の方が多く在院期間が長くなっています。
◆2番目は狭心症等に対して心臓カテーテル治療を行った入院です。
◆3番目は心臓カテーテル検査を目的とした入院で、予定入院は1泊2日か2泊3日がほとんどです。
◆4番目はペースメーカー移植や交換のための入院です。
◆5番目は不整脈の原因となる心筋組織をカテーテルで焼灼し治療するための入院です。

◆骨髄異形成症候群や急性白血病、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍を中心に診療しています。
◆1、2、３番目は、非ホジキンリンパ腫に対して抗がん剤治療を実施した入院です。
◆4番目は、急性骨髄性白血病に対して化学療法を実施した入院です。
◆5番目は、骨髄異型性症候群に対して血液輸血を実施した入院です。

◆麻酔科は手術時の麻酔の他、ペインクリニックを担当しています。
◆1番目は顔面神経麻痺に対して神経ブロック療法を実施した入院です。
◆2番目は帯状疱疹の痛みに対して神経ブロック療法を実施した入院です。
◆3番目は椎間板ヘルニアの痛みに対して、神経ブロック療法を実施した入院です。

◆消化器内科は消化器領域全般の診断、治療を行っています。内視鏡治療を多く実施しています。
◆1番目は、内視鏡を使用した大腸ポリープ切除の入院です。
◆2番目は、胆道結石や胆管炎に対する内視鏡治療の入院です。
◆3番目は、内視鏡による胃癌に対しての粘膜剥離術実施入院です。
◆4番目は、内視鏡により腸の腫瘍や早期癌を切除した入院です。早期癌（浸潤が粘膜層までのもの）の多くは、この方法で治療可能です。
◆5番目は、胆のうがん及び肝外胆管がんに対して内視鏡的にステントを留置する手術を行なった入院です。

◆１番目の手術は鼠径ヘルニア（脱腸）の手術です。基本は2泊3日を予定しています。
◆2番目の手術は結腸がんに対して腹腔鏡を使用した切除術です。
◆3番目の手術は胆嚢炎や胆嚢結石に対して腹腔鏡を使用し胆嚢を摘出する手術です。
◆4番目の手術は腹部大動脈に対して腹部等の切開を行わずステントグラフトという人工血管を用いて大動脈瘤にかかる圧力を減らす手術です。
◆5番目の手術は虫垂炎に対して腹腔鏡を使用した切除術です。

◆1、２、4番目の手術は骨折に対して観血的（皮膚の切開を伴う）に行う手術です。高齢者の転倒による骨折が多くなっています。
◆3番目の手術は関節疾患により悪くなった関節を人工の関節に置き換える手術です。
◆5番目の手術は骨折手術などで挿入した挿入物を外す手術です。

◆1番目の手術は脳を覆っている硬膜と脳との隙間にたまった血（血腫）を頭に穴をあけて洗浄除去する手術です。
◆2番目の手術は未破裂脳動脈瘤に対して、大腿動脈からカテーテルを挿入してコイルで塞栓する手術です。
◆3番目の手術は未破裂脳動脈瘤に対して、大腿動脈からカテーテルを挿入してコイルで塞栓し、ステントと呼ばれる筒を挿入する手術です。
◆4番目の手術は口から食べることが不十分な場合や誤嚥性肺炎の危険がある患者さん等にお腹から直接胃内をつなぐ経路を設ける手術です。
◆5番目の手術は重症な肺炎等で呼吸を確保する目的で行う場合や気管内に唾液や食物等が貯留する恐れがある場合に気管とその上の皮膚を切開して気道を確保する手術です。

◆1～5番目については胸腔鏡を用いて安全性を損なわない範囲で手術創を小さくし、患者さんの体の負担軽減に努めています。
◆1、2番目の手術は、肺がんを切除する手術です。
◆3番目の手術は良性腫瘍に対して、4番目の手術は気胸（肺に穴が開く病気）に対して、5番目は縦隔の腫瘍に対して胸腔鏡を用いて切除する手術です。

◆白内障に対する手術になります。1泊2日の手術です。

◆1番目は慢性副鼻腔炎に対する手術になります。6日前後の入院を予定しています。
◆2番目は悪性リンパ腫（血液の中を流れる白血球の一種であるリンパ球を由来とするがん）の診断確定のためにリンパ節を摘出する手術です。
◆3番目は鼻出血を止血するための手術です。
◆4番目は耳瘻孔の手術です。
◆5番目は喉頭にできた腫瘍を切除する手術です。

◆1番目は皮膚の悪性腫瘍に対する切除術です。
◆2番目は皮膚、皮下にできた腫瘍を摘出する手術です。摘出した腫瘍は病理検査を行い良性、悪性の判断を行っています。
◆3番目は腫瘍切除後の欠損部に皮膚移植する手術です。

◆1番目は尿路結石症（腎結石、尿管結石など）に対する内視鏡手術です。尿道から膀胱を経て尿管や腎盂内まで専用の内視鏡を挿入して結石を治療しますが、より安全に効率よく治療するために、レーザー破砕機を使用する術式です。
◆2番目は膀胱癌に対する手術で、尿道から膀胱に手術用内視鏡を入れ、腫瘍を切除するものです。浸潤度の低い表在性膀胱癌はこの手術で完治可能です。（ただし、再発率の高い病気であるため、術後の厳重な定期検査が必要です。）浸潤性の癌では、この手術単独で完治は期待できないですが、より詳しい診断をつけて治療方針を決定するために、この手術を行うことがあります。
◆3番目は、末期腎不全患者に対して行う腎代替療法のうち、血液透析を選択した場合に必要となる透析用の血管手術です。通常は局所麻酔で行います。
◆4番目は、尿管の通過が何らかの原因により障害された時に、腎臓へのダメージや痛みを軽減したり、感染の重症化を防いだりするために、尿管内にステントカテーテルという細いチューブを入れるもので、主に尿管結石などで、腎臓が腫れたり（水腎症）、感染を合併したりした時に緊急対応として行います。
◆5番目は、早期前立腺癌に対する根治療法としての手術です。当院では、手術支援ロボット「ダビンチ」を用いて手術を行っており、従来の開腹手術に比較して傷口が小さい、出血・合併症が少ない、などのメリットがあることが知られています。

◆1、4番目は大腿部からカテーテルを血管内に挿入し、冠動脈の狭窄部にステントという網目状の小さな金属の筒を留置し、血流を回復させる手術です。
◆2番目は不整脈の原因となる心筋組織をカテーテルの先端から高周波を流し焼灼する手術のひとつです。主に心房細動に対しての手技です。
◆3番目はペースメーカーという不整脈を治療するための装置を移植する手術です。
◆5番目はペースメーカーを移植する手術までの間等に一時的に心拍数を保つために行なう手術です。

◆１番目は内視鏡を使用した大腸ポリープの切除手術です。予定入院の場合多くは2泊3日で実施します。
◆2番目は胆管癌や胆管炎などにより狭窄した胆管に対して内視鏡的にステントと呼ばれる筒を留置し、胆汁の通過を改善させる手術です。
◆3番目は大腸の早期がんに対して内視鏡的に粘膜を剥離する手術です。
◆4番目は胃・十二指腸の早期がんに対して内視鏡的に粘膜を剥離する手術です。
◆5番目は内視鏡を使用して、胆管・膵管の出口にあたる乳頭を切開して結石を除去する手術です。